幻のようかん

入手が困難なことで有名な幻のようかんのお店が吉祥寺にある。
その名は「小ざさ」。
ようかん購入のための整理券を求め、早い人は朝4時から並び始める。先着30名ということで、6時に店に来た人でさえもほとんど整理券を手にできないという。


わけあってそのようかんを手に入れる使命が与えられてしまった。
ちゅうことで、朝4時前に起き新聞配達かタクシーしかいない時間帯に一人チャリンコで吉祥寺へ。


着いたのは4時30分。しかし・・・なんとすでに先客が!
おばあちゃんが2人、シャッターの前に座っているではないか!


「ようかんの列ってここでいいんですか?」
おばあちゃんたちとのファーストコンタクト。
「そうそう、ここよ。」
ということで、おばあちゃんたちの隣、すなわち列の後ろに陣取る。


そのあと4時間並ぶことになるわけだが、その間ほとんどおばあちゃんたちとおしゃべりをしてすごした(というか、ほとんど聞き役に回っていたのだが)。
おもしろいおばあちゃんたちだ。どうやら常連らしい。
時間が経つごとに徐々に人が来始めるのだが、誰かが来るたびにその人とおしゃべりを始める。
常連組はもうお互い顔見知りでかなり仲がいいみたい。


「小ざさ」は10時に開店するのだが、整理券は8時半に配られる。
その整理券をを手に入れるためにいわゆる「並び屋」を雇う人も多かったようだ。
しかし最近「並び屋」を使うことはお店側から一切禁止されたらしい。
また、常連の人の中では毎日来る人もいたので、帰るのは1人週に1回だけというルールもあるのだとか。いや〜すごいね。


並んでいる人はみんな折りたたみイスを持ってきていて、なんかとても慣れた感じ。
自分みたいに新聞紙を敷いて座っている人なんかほとんどいない。気合の入り方が違います。


人生経験豊富なおばあちゃんたちの話を聞いてたらなんかすごく勉強になった気がする。
「とにかく女には気をつけろよ」とのこと(笑)。


早朝の吉祥寺にこんなコミュニティがあったなんてつゆも想像しなかった。
このおばあちゃんたちと話ができただけでも並んだ価値はあったのかもしれない。


ちなみにようかんはとてもうまかった。これだけあんこの味と食感がそのまま出ているようかんは他にはないだろう。
しかし・・・やはりしょせんはようかんだ。
4時から並ぶ価値があるかといわれれば・・・夜型の自分にとっては、ちと割が合わなかったかも・・(^^;)